襲歩 しゅうほ  ( Gallop ) 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る
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 襲歩は馬が全速力で走るときの歩様。
襲歩
 ダダダダッ、ダダダダッ、という4拍子。
 競走馬などでは時速70km弱の速さにもなる。乗用馬でもスピードがあって、落ちたらとても危険、落ち方によってはプロテクターなど役に立たないかもしれないので、安全には充分注意しよう。

 しかし、襲歩は、駈歩よりも上下動が少なく、真っ直ぐ走っている限りは意外に安定して乗っていられる。
 広い野外で鞭をいれて思いっきり走らせると、鞍はほとんど上下に動かず、激しく前後に動くのを実感できる。

 このアニメは襲歩での鞍の相対的動きを示したもの。駈歩での鞍の動きを速く大きくしたのとは違った動き。ただし、動きを誇張してあるので実際にはこれはど大きくは動かない。
 また、上下方向の動きは前後方向の動きよりも誇張してある。実際は上下よりも前後の動きの方がずっと大きい。
 後肢を蹴って体を伸ばして距離をかせぐ走り方なので、鞍の後橋が下がってから前橋が上がりつつ鞍がぐっと前にせり出す動きが特徴的。

 スピード感が怖くなければ、風を切る爽快感、馬体の躍動感、走る能力を解放しきった馬との一体感を楽しめる。下の歩様の説明図ではツーポイントで乗っているが、ツーポイントでなくふつうのスリーポイントでも乗ることができる。

 襲歩では小回りとかできないので、余程広い馬場でないと襲歩で走れない。狭いところでの襲歩は危険。外乗などで下が砂で落ちても比較的安全、経路が真っ直ぐで馬が躓いたりする危険性がなく、急カーブなどされないようなところを選んで試してみると良いが、襲歩で走らせてくれる外乗コースはなかなか無い。

 上下動が少ないので気持ちよく乗っていられるが、スピードがあるぶん、馬が躓くも含めて急停止、急カーブされたら落馬の可能性が大。しかも、スピードが出ている分、落ちたら非常に危険だから、障害や脇道・分岐のない一本道(下り坂は危険、上り坂の方が良い)など場所を選ぶべき

 襲歩には駈歩同様、手前がある。脚運びは駈歩とほぼ同じだが、違いは、後肢が着地してから、そのあと前肢を着地すること。これによって、後肢と前肢の間の距離をかせいで駈歩の場合よりも一完歩の距離が伸びる。

 下の絵は左手前の襲歩。
(1)右の後肢が着地。

(2) 左後肢が着地。右の前肢はまだ着地しておらず

(3)歩幅を伸ばして、右前肢が着地。

(4)続いて、左前肢が着地。

(5)左前肢で地面を蹴って、

(6)四肢とも空中に浮く。空中に浮いている間に進む距離も駈歩よりはずっと大きい。


下の絵は右手前襲歩での一完歩の歩幅(水色の矢印)を示したもの。

 駈歩と違い、右後肢が着地した後に左前肢をぐっと前に伸ばし背伸びして距離を稼ぐので、緑の太線の区間が駈歩の場合よりも長い。
 空中浮遊期間で距離を稼ぐので、右前肢の着地点と左後肢着地点の距離は1馬身よりも長い。優秀な競走馬はこの赤い線の長さが1馬身半から2馬身近くになる。
 襲歩の場合、一完歩の間体重は反手前前肢(左前肢)がもっとも負担し(コーナーなどでは馬体の傾きに応じて反対になることもある)、推進力は反手前後肢(左後肢)が負担する。右後肢は推進力にはあまり寄与せず、右後肢よりも右前肢(手前前肢)が推進力を担う。

 この絵はこちらを参考にした。こちらには馬の走りについて非常に詳しい解説がある。

・襲歩の発進
 襲歩は先生には習っていないので、正しくはどうやるのか判らないが、広いところで(外乗などで)駈歩から脚を強く使えば(たとえば踵を蹴りこめば)襲歩になる。襲歩になったかどうかは、馬体の躍動のリズムの変化や鞍の動きの変化(ゆったりした上下動から、激しい前後動)で知ることができる。足音が、バカラッ、パカラッ、という3拍子から、ダダダダッ、ダダダダッ、という4拍子になっていることでも確認できる。

 馬によっては、ゆっくりした速さで、カタカタッ、カタカタッ、という4拍子の走りをする馬もいるが、これはCRによると、(襲歩ではなく)不正な駈歩。乗り手が馬の空中浮揚期を我慢できずに、馬任せにせずに急ぐと、空中浮揚期が短くなって正しくない脚運びの駈歩になる。

やや上り坂を裸馬襲歩で走る。

 ビデオで見るように、襲歩だと馬体の上下動が、駈歩よりも少なく、尻が上下に大きく跳ねられることはない。ただし、馬体の脚運びに応じた加速、減速が大きいので、馬体は騎座の下で前後に激しく動く。馬が汗をかき、鞍がないと、馬体の上で騎座はつるつる滑るので、裸馬では騎座の下の馬体の前後動きを特に大きく感じる。

 もっと襲歩らしい襲歩では前肢はもっと高くあがるのだろう。でも競走馬と比べて肢の踏込が弱いのは仕方がない。尻鞭を思い切りいれればもう少し速く走るが、自分撮りのカメラを持ってだとうまく鞭を振れない。

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