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 乗馬について、何をどんな風に教えてくれるかは、クラブの考え・やり方で決まってしまう。

 障碍をやりたいとか馬場馬術をやりたいとか、大まかな希望は言えるが、生徒の側から、「こんなことを、こんな風に」と頼んでも、クラブの方針やカリキュラムに沿ったものでないと、やってくれない。それに最初のうちは、訳がわからないで習っているから、せいぜい「もっと駈歩をしたいなぁ」ぐらいしか思いつきもしない。

 以前このページでいろいろな練習方法を紹介したが、そんなことをどんなクラブでもやらせてくれるとは限らず、あまり意味のないことに思えてきたので、それらは削除して、極基本的な練習パターンなどを紹介するようにした。

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練習方法と留意点
練習形式 立ち乗り練習
基本練習1 蹄跡運動 基本練習2 輪線運動
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鐙上げ 雪中騎乗

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 多数頭の馬が同時に馬場に出て皆が同じことをする部班練習と、生徒と先生が一対一で練習をする個別指導という二つの方法がある。当然個別指導が、好ましいが、生徒一人が先生一人を独占するから、ちょっと敷居が高い。

・調馬策練習:

 初心者向けの個別指導。
 馬には調馬策をつけて、先生が調馬策の一端を持ち、馬をコントロール。馬は先生に指示された速さで一定円周上をぐるぐるまわる。
「乗馬経験があります」とかいうことでなければ、軽速歩で立ったり座ったりを習うレベルぐらいまでを、この方法で習うことが多い。
 馬は先生がコントロールするから、「生徒は馬の動きに合わせ、ただただ自分の姿勢を正しく保つことだけに集中できる」という点では、とても良いレッスン方法。

・部班練習
 生徒が乗った多数の馬が同時に一つの馬場内でレッスンを受ける。

 先生一人で大勢の面倒をみるから、経営効率が良いが、馬は、先生の声や、前の馬の動きに従っているだけかも知れず、馬をコントロール出来ているかどうか、乗っていて甚だおぼつかないことが難点。

 けれども、馬は先頭の馬にくっついて勝手に走ってくれるから、馬をどう動かすかに気を取られず、ひたすら安定して鞍にまたがることに集中できる。大勢が一度にやる調馬策運動だと考えれば大いに意味もある。

 部班の人数が多いと多数の馬が蹄跡上につながって、どこが先頭か判らなくなり、メリーゴーラウンドなどと揶揄される状態になる。こういう状態ばかりで練習していると、多少乗れる気になっても、実は全然馬を動かせていないというショックな現実を突きつけられることがあるようだ。

・個別練習:
 生徒一人(あるいは精々2、3人)に先生一人という形態で、先生の目が生徒に行き届く良いレッスン方法だが、混みあったクラブでは難しい。

 これを望むなら、特別に別料金を払うとか、辺鄙なところで客の少ないクラブでないと難しいように思う。


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 体を前傾させたツーポイント姿勢も立ち乗りの仲間だが、ここで言う立ち乗りは、馬上にまっすぐ一本の棒になったように(棒立ちに)なった姿勢で乗るもの。安定した騎座・脚を獲得するには格段の効果がある。

 これをみっちりやるのが上達の近道らしいが、こればかりやらせると、客が嫌がって来なくなるという。客に逃げられては困るから、この練習をやらずに済ませるクラブが多いらしい。

 最初は調馬策でやるが、馴れたら単独で手綱をもって練習する。歩様も、最初は常歩だが、速歩、駈歩でも出来るように練習する。

 この絵は、調馬策を使っての棒立ち乗りの基本姿勢。
立ち乗り姿勢
 調馬策だから、手綱を持つ必要がないので、両腕を背中に回して組んでいる。
 けれども、最初は怖いし、安定して立っていられないから、慣れるまでは、たてがみをつかむとか、両腰に添えるとか、両手を水平に左右に開くとか、安心できる位置で良い。
 調馬策を使わないときは、両手で普通に手綱を持つが、手綱を引っ張ってバランスを取らないように注意する。
 体重は鐙の上だけに掛ける。

 お腹をぐっと前に突き出すようにしないと安定しない。

では、どのくらい出さなければいけないのか。目安は、この絵のように、片方の手をお尻の後ろから手のひらを下に向けて前にだして、指先が鞍の前橋上端に触れるくらい。
 最初は体が前に倒れて転げ落ちてしまう恐怖感が付きまとう。けれども、片手で尻の下の前橋に触れるほどお腹を突き出すと、思いの外安定して、前に転げ落ちる恐怖感が多少薄れる。

 この絵は立ち乗りのときの脚の部分を拡大したもの。
立ち乗りの脚位置
 鐙に浅く足を掛けて、親指側に荷重する。絶対に、つま先は膝頭より前に出てはいけない。

 脹ら脛下部からアキレス腱のあたりまで(左の絵の赤い点線の楕円部分、この絵では見えない脚の裏側)が馬腹にしっかり押しつけられ(黄色い矢印)ていることを確認する。

 押しつけられていなかったら、脚をもっと後ろに引いて、足全体を下方へ押し下げて、向こう脛あたりに絡みついてきている鐙革を押す力(小さな水色の矢印)の反作用で、脹ら脛を馬腹に押しつける(黄色い矢印)。

 膝で鞍を抱くことは厳禁。膝関節の内側と鞍の間には2-3cmの隙間があるのが良い。だから、ずいぶんとガニマタで鞍に跨がる感じになる。これを教えてくれたM先生は、馬には体の裏側で乗るんだという。

 この練習をしっかりやると、軽速歩でも、立つ座るのたびに脚が前後にぶらぶらせず姿勢が安定することが実感できて嬉しくなる。

 ただし、立ち乗りは練習だから、常に脚による圧迫を確認しながら乗るのだが、通常乗るときは常時圧迫をしてはいけない。どんな扶助でも、のべつやり続けると馬はそれに慣れて無感覚になって、扶助に鈍感になってしまう。通常では脚は軽く添えておく程度。


立ち乗りの留意点

- 膝が斜め前に沈み込む感覚を持つ。鐙に足で立つのでなく、膝行(いざ)るようなつもりで膝で立つ気分大切。

- 膝の力は抜いて、体重を受けるだけ。膝に力がはいると踵がぴくぴく激しく動くようになる。ぴくぴくしなくなるまで膝の力を抜く。

- ヘソ・腰骨を前に出す(座った状態から立ち乗りの姿勢に立つときは腰を前に投げ出す感じで一挙に立つ)

- 腰を前後に漕がない(尻が前後しないように、体重は真下に落とす)

- 膝で鞍を抱いてはいけない。鞍と膝は隙間を空ける。(がに股のイメージ)


・より習熟するための立ち乗り練習

- 常歩で通常のスリーポイント姿勢と立ち乗りを交互に繰り返す。脚の位置を両者で同じ位置に保つようにする。

- 速歩で、静座速歩>立ち乗り>軽速歩>立ち乗り> と順繰りに繰り返す。脚の位置をすべてで同じ位置に保つようにする。

- 駈歩で、通常のスリーポイント姿勢と立ち乗りを交互に繰り返す。脚の位置を両者で同じ位置に保つようにする。

 この練習を行うと、静座速歩でぼんぼん上下に跳ね上げられても慌てずに姿勢の安定に注意できるようになるなど良いことが沢山ある。それに、とても不安定な姿勢で、いろいろな動きをする馬上から落ちずに済んでいるという実感から、馬上でパニックになりにくくなっているような気がする。

 下は駈歩での立ち乗り 先生に言われた正しい姿勢にはまだなっていない。これでもまだ腰が引けている。もっとヘソを前に出して上体を垂直にしなければいけない。慣れれば、手をもっと前にだして手綱を短く持ってコンタクトを取る。


自宅での立ち乗り練習
 立ち乗り練習だからといって騎乗料が廉く済む訳では無いから、実際に数十鞍分の騎乗料を立ち乗り練習ばかりに費やすのは辛い。

 だから、馬に乗らずに、練習できればありがたい。このアニメのようなトレーニングは、自宅でやれる立ち乗りの練習として有効だとM先生に教えられた。
 まず、家の柱ほどか、それよりやや細い角材(長さは20cm程度でよい)を2個用意して、これを鐙に見立てて、足の母指丘を角材の上面に置く。踵は下げるが、角材の上面からやや下がっている程度でよい。膝をがに股に曲げて、足だけで角材の上に立つ。

 この姿勢から、足をさらにがに股にして上体を上下させてスクワットを行う。


 さて、ここから下の調馬策練習は、通常の練習とは違い、姿勢の大事さを知るための練習。どんな姿勢が危ないか、正しい姿勢だとどう安全なのかを教えてくれるもの。こんなことを体験させてもらえることはほぼ無いだろうが、面白い話なのでご紹介。

・回転の内側地面を見ることの弊害

 H先生は「回転の内側の地面を見るな」と厳しく言う。気をつけているのだが、ついつい見てしまう。この危なさを体験させようという練習。

下をみると放り出される 内側の地面を見て速歩をしているときに、H先生が調馬索を使って馬を内側に切れ込ませると、外側に上体が振られて落ちそうになる。

 内側へ傾いているはずなのに、簡単に外落ちそうになるのは驚き。

 内側の地面を覗き込んで内側に傾いているから外に振る力には強いはずだが、実際は姿勢がねじれて、おしりは外側にずれて体重は左に掛かっていたりするらしい。

 同じことを回転の外側を向いてやると外側へ強く振られることがない。外側へ落ちそうになることもなく比較的安定して乗っていられる。


・腹背筋の力を抜くな

 「力を抜いて」とか「ほらぁ 力がはいっているぅ」などと言われるが、腰と背骨を支える腹筋と背筋は馬に乗っている間は常に力を込めていなければいけない。体の力を抜いてと言われても、この力は決して抜いてはいけない。腹筋背筋の力は乗馬にはとても大切だと先生は強調する。
力をぬいているとひっくりかえる
 調馬策で、腹筋・背筋に力をいれず、腰をぐにゃっと力を入れずに乗る(常歩)。先生が予告なしにいきなり追い鞭を使って馬を走らせる。
 馬が駆けだすと、体は後方に取り残されバランスを崩して、落ちてしまいそうになる。調馬索があっても、これは結構怖い。

 次に、同じことを腹筋背筋に力をいれて背筋をしっかり伸ばしてやる。
腰がしっかりしていれば安全
 今度も、急に走り出すから当然上体は後ろへおいて行かれるが、少しおいて行かれるだけで済む。たとえ体が後ろへおいて行かれても、不思議なことに上体のバランスは崩れない。

 これだと怖さはまったくない。「いつなんどきでもどうぞ(鞭を入れてつっぱしらせてください)」という感じ。


・前かがみになるな

 前かがみは駄目だよ、と先生は常に言う。このダメさを体験させる練習。
背中を丸めるな
 前屈みの姿勢で、馬を速歩で走らせる。鞍の前橋をつかんでいてもよいが、ボンボンと跳ねあげられてとても乗っていられない。「止めて、止めて」と言いたくなる。

 そのうち上下だけでなく左右にも跳ねてどうしようもなくなり重心が馬の上からずれて落ちるというのは初心者の典型的落馬パターンだとH先生は言う。

 上と同じことを腹筋背筋に力をいれて背筋をしっかり伸ばしてやる。前橋はつかみにくくなるが、背筋にはあくまでも力を入れ、腕もいっぱいにに伸ばして前橋をつかむ。
背筋を伸ばせば反撞は少ない
 この姿勢でも上下の跳ねはあるが、体の制御不能というほどではない。跳ねても「止めてくれ」というほどではないし、「このままだとどうなっちゃうんだろう」という不安感もない。
 背中をまっすぐ乗るというのは、もろにどんどんと杭打ちになりそうだが、実際には衝撃は少ないというのは面白い。

 M先生は速歩のときに、馬の上でドスドスと尻が跳ねることをあまり気にするなという。こんなにドスドスしたら馬の背はさぞ痛いだろうなあと思うようなときでも、気にするなと。ドスドスしないように気を遣うよりも、もっとほかに気を遣うべき事があるだろうということらしい。

 で、たしかに、身体の裏側で乗る、脚を引いて(棒立ち乗りの時と同じような位置に)上体を真っ直ぐ立てて、上下動の体重は真っ直ぐ下にかけて(前後に漕がない)というようなことに気をつけて練習していると、身体が上下に跳ねられて思うように扶助が出せないとかいう不自由を感じなくなってくる。これにCRの洗濯ばさみの要領を加るとなおよい。

基本練習 1 蹄跡運動 立ち乗り練習へ このページ先頭へ 基本練習2へ 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る

 調馬索での軽速歩を経験して多少馬の動きに慣れて来たら、調馬策を外して、手綱を自分で持って、進む速さや方向を自分で思うように動かす練習をする。

 乗馬クラブによって普段の練習に使う馬場は広さや形状がいろいろだが、馬場馬術で使われる馬場はサイズが決められており、大きさは20mx60mである。初級者用の馬場は20mx40mと長手方向のサイズが2/3になっている。
 馬場馬術の課題運動を行う目安となる場所には、英字マークの標記が置かれている。練習馬場でも、「B点で巻乗り」とか指導員から指示される場合もあるだろう。このB点とかE点というのは、馬場の上でそれぞれの位置を示す標記と呼ばれるもので、下の絵のような位置に配置されている。

 下は初級向けの競技で使われる馬場で、茶色い枠の部分には高さ30cmほどの白い柵で囲まれた長方形。
 標記の間隔は14mである。
 中央線上の、D、X、Gの各点については、実施の馬場上には標記はされていない。



 下は、正式の競技会で使われる馬場、初級向け同様に茶色い枠の部分には高さ30cmほどの白い柵で囲まれている。
 各表記の間隔は、初級者向けの馬場と違って、12mである。また、文字を青色で記したS、I、R、V、L、Pの各点は初級者向けの馬場には無かった標記。
 中央線上のG、I、X、L、Dの各点には、実際の馬場では標記はされていない。
 審判が付く場合は、審判長席はC点の外側、審判が5人付く場合は、審判長以外の4人の席は、それぞれ短蹄跡上のH、Mの角(審判長席の左右)、E、Bの外側に置かれる。



 部版で練習する場合も、個別に練習する場合も、大体は以下の絵のような四角い埒に沿った、蹄跡上を進む蹄跡運動で練習する。


 馬場の埒沿いを青い矢印の方向に進む。長い方を、長蹄跡。短い方を短蹄跡という。

 このままだと、同じ方向にばかりぐるぐる回ることになって、ずっと続けていると、馬に左右偏った負荷が掛かるから、時々、赤い矢印のように進んで、回転方向を変える。これを斜めに手前を変えるという。
 斜めに手前を変える場合は、通常はたとえばF点から馬場の中央X点方向に進みH点まで進んで長蹄跡に合流する。変化形としては、F点からE点を目指して進み、E点で長蹄跡と合流する経路もある。


 これは、もう一つの手前の変え方で、半巻きと呼ばれる方向転換換方法。緑の矢印のように、半円形を描いて、もと来た方向へ戻る。半円から蹄跡に戻る道が、ぐんにゃりした曲線ではなくて、一直線であることに注意。

 半円の直径は10m、直径の倍の地点に戻るから、馬場が20mx40mだとすると、馬場の角で半円を(隅角の5m手前から、直径10mの半円を)描いたら、長蹄跡の中央部で埒沿いに戻ることになる。半円の直径は10mより小さく、例えば6m、でもよい。

 蹄跡運動では、すぐ傍にある埒は乗り越えられないから、よほど左右に偏った乗り方をしない限り、馬はおおむね埒に沿って真っ直ぐ進んでくれる。

 だから馬を真っ直ぐ進める練習にはなるが、これで真っ直ぐ進めたとしても、馬が乗り手の言うことを聞いて真っ直ぐ進んでいるとは限らない。


 そこで、この緑の矢印で示す中央線に沿って運動することも大切。一般的には、左廻りで中央線に入ったら、蹄跡へ出るときは反対の右周りに出る。

 中央線には左右のふらつきを抑えるような壁とかガイドが一切ないから、ここで馬を左右にふらつかせず、真っ直ぐ進めることができたら、だいぶ上達してきたと思って良い。脚と手綱の両方で馬に左右に壁があるんだよと伝え続けることが大切。

 中央線を使わずに馬場を縦長に4等分する3本の線のうち中央線を除く2本の線を使う quarter line ないし 3 quarter line という下の絵の赤線で示す経路を使う練習方法もある。

 この経路上で斜め横脚や肩内などの練習をすることも良い練習法方になるという。

 こちらにはいろいろな経路が英語名で紹介されている

注意点

(1)あらゆる運動に共通だが、馬の大きさ、歩度、歩様によって、扶助に反応して動作を起こすまでの時間が異なるから、馬毎の違いを体感・理解して、扶助は、曲がらなければいけないそのポイントで出すのではなくて、手前で出すようにする。

(2)直線運動から曲がる時は、必ず、半減脚を使って馬の体勢を立て直す。半減脚がよく判らなければ、馬上で偉そうにふんぞり返って、脚を締めて脹ら脛で推進扶助を行うと同時に、手綱をしっかり控える。この動作を行ってから、方向を変えるための扶助を出す。

(3)曲がるときには、内方脚を一歩階段を降りる感じて前下方に下ろし、回転内側の座骨に体重を掛け、体重扶助を使う。同時に、手綱で馬の首を回転方向に誘導する。このとき馬の首が、回る円弧の曲がり方以上に曲げてはいけない。同じ程度に曲がっていることが理想。

(4)隅角など、「曲がればそれでいいや」でなくて、自分で設定したポイントで曲がるようにコントロールする。隅角をショートカットして曲がられてしまうなどは、馬が扶助に従っていない証拠。ただし、良く訓練されていない馬にあまり急角度な曲がりを要求すると、馬が脚を痛めてしまう可能性があるので、無理をさせてはいけない。

(5)中央線に沿って進むとき、馬が真っ直ぐ進まず左右によれて進むことが多い。M先生は、これは多くの場合、推進力不足が原因だという。しっかり推進して、左右の脚で壁を作り、さらに、左右の手綱で壁を作り、その真ん中に馬が通る通路を作って、その間に馬を進めるように考えるとよいという。

 だから、馬がよれたら、手綱を左右に操作して元に戻すので無くて、推進力を加えて(脚での強い推進扶助)両手両足で壁を作って、そこから馬をはみ出させないような気持ちで乗ることが大切。


基本練習 2 輪線運動(巻乗り・輪乗り) 基本練習1へ このページ先頭へ 基本練習3へ 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る

 輪乗りとか巻き乗りなどの、円弧に沿った運動(輪線運動)は、馬の進む方向をコントロールするには必須の練習。

 昔は初心のあいだは、輪乗りしかやらせてくれず、真っ直ぐ進む練習などは、輪乗りを卒業してからだったという話もある。今は、蹄跡運度運動の後か、ほぼ同時に習うことが多いと思う。
 

 この赤い矢印の図形を描くのが輪乗り(直径20mの円)。直径は20mに限らず、10m以上であれば輪乗りという。

 輪乗りと言われたら、このような赤い円形の図形にそって、「輪乗りを解いて」と言われるまで、円運動を続ける。同じ方向ばかりに回っていると馬の左右片側だけに負荷が掛かるから、ときどき、回転方向を変える。輪乗りをしている間に「手前を変えて」と言われたら、緑の矢印のS字(輪の中心を通る)のように進んで回転方を変える。


 この緑矢印の図形を描くのが巻き乗り(直径10m以下の円)。「大きく」とか特に直径の指定がないと6mの直径の円を描くのが普通だという。

 巻き乗りと言われたら、このような緑円形の図形にそって一周して、一周終わったら、元進んでいた方向へ真っ直ぐ進む。
 練習としては、長蹄跡上ある点で巻乗りしたら、長蹄跡に戻って少し進んでからまた巻乗りをして、というのを繰り返すことも有効。

蛇乗り
 蛇が曲がりくねって進むように、馬場の上でS字状に曲がりくねった曲線を描く。曲がる方向が途中で変わるから、内方姿勢の左右の切り替えの練習のためにはとても良い。

 ずっと曲線(円弧上)を乗るのではなくて、途中に直線部分を入れる。この直線部分で、内方を左から右(あるいは、右から左)にしっかり意識して切り替える。
 3回曲がる3湾曲(下の絵)よりも、4回曲がる4湾曲の方が円弧部分の半径は小さくなるから、その分直線部分は長くなる。

 蛇乗りには、短蹄跡方向の幅を半分に狭めて、中央線と長蹄跡の間で折り返しながら乗る、湾曲の数を五つにするなど、いろいろなパターンが可能。


注意点

 蹄跡運動の注意点に同じ。

 ただし、
(1)馬体の屈曲と、回っている円の円周の曲がり方が一致するように、脚と手綱、体重扶助で馬体をコントロールする。馬の首が円弧より内側を向いていたり、逆に外側を向いていてはいけない。特に、頸頭は内方を向いているのだけど、鼻面は外を向いているのは正しい内方姿勢とは言えないことに注意。

(2)回転している間中、同じ姿勢を保って馬がまんまるく円周の上を運動するようにする。ひしゃげたり、いびつな円にならないように曲がり度合いを常にコントロールして、真円を描くことが大切。

(3)回転の方向を変える場合は、明確に内方脚を左から右(右から左)へと切り替えて、内方脚で馬に充分に働きかけて馬にしっかりとした内方姿勢をとらせることが大切。


 回転がうまくいかない悪いパターンは大きくは二通りあって、一つは小さく切れ込んで回転半径が意図したものよりもずっと小さくなるもの、もう一つは、馬が肩から外側に逃げて回転半径が大きくなったり、はなはだし場合は全く曲がらずに肩の方向へ直進してしまうもの。

外へ逃げるというのは、この絵のような動き。

 馬体の曲がりだけを見れば、こんな風になっていて右に曲がるはずが、左の肩の方向へどんどん左前に進んで曲がってくれないない情けない状態のことを言う。

 原因はいろいろだが、H先生が言うには、典型的なのは、
(1)遠心力に負けて体が外に振られて重心が馬体の外側に掛かる、
(2)回転の内側を見ることで尻が外へ振られて重心が馬体の外側に掛かる、
(3)重心は回転内側に掛かっているのだが体が内側を向くことで内側の尻で鞍を外に押し出す方向に力が掛かっている、
のどれからしい。

 この状態から「曲がれ!」と回転内側の手綱を引くと、ますます馬は外へ逃げる。

 M先生は、こうした「よれ」は推進力不足が原因だから、脚による強力は推進扶助をあたえ、外側の壁が破られないように手綱で壁を作るつもりで、進ませたく無い方向(左に膨らむなら、左手綱)の手綱に力を込めるようにせよと言う。また、内方脚で強い推進を与えよとも言う。(内方脚で推進するとますます外へ膨らみそうだが、内方脚での推進と、外方手綱の抑えが重要らしい。)


綺麗な円を描くコツ

 頭の中で、馬場に輪乗りの円周図形を描いて、この図形の線上を馬に進ませようと思うと、「あ、右にずれたから修正」「外にふくらんでるからなんじゃかんじゃ」とやることになって、結果的に下の絵の赤い点線のようなグニャグニャした図形になって、回る度に違う道筋に進んでしまう。だから、輪乗りの蹄跡が、一本の細い円にならず、とても幅の広いドーナツのような形になっていて、毎回同じ円周上を運動していないことがバレバレ。

 これは、図形を描く考え方が悪いのだという。円周を思い描いて、その上を進ませるのでなくて、
(1)円周上で短蹄跡、長蹄跡と接する点、A、B、Cの3点を選ぶ。円周上B点の反対側にD点を選ぶ。
(2)A点から出発したら、円弧ABのことは考えずに、B点にむかって滑らかに馬を進ませることに注力。もちろんB点で馬体が埒と並行になるように進む。
(3)B点で、すぐ円弧に沿って馬を曲げるのでなく、埒に並行に1馬身真っ直ぐ進ませる(青い矢印)。
(4)1馬身進ませたら、C点を目標にBC間を滑らかに進ませる。
(5)C点に来たら、同じ要領で次ぎはD点に向かう。
(6)以下同様にして、D>A>B>C> と回り続ける。

 このように、円弧の上を進まそうと意識するのでなくて、A、B、C、Dの4点だけを目標として意識して馬を進める。こうすることで、絶えず「あっ、しまったズレた」と修正しまくって却ってグニャグニャすることを防げる。

 もちろんA点やB点、C点などの途中では、次ぎに到達すべき点に行けるように、常に左右の脚と手で壁を作り馬を誘導する。これは、円弧上で「あ、今ずれてる。まずい、修正しなきゃ」とオタオタやるより、「あの(まだ遠い)目標に進むにはもうちょっとこっちだな」と若干心に余裕を持った操作ができるので安定したなめらかな円弧が描けるように思う。

 輪乗りの図形が綺麗な円にならない、回る度に違う円弧になる、というような場合は、この「4点を目標として、その4点上では1馬身は真っ直ぐ進む」という考え方を試してみると良い。


基本練習 3 速度と方向のコントロール 基本練習2へ このページ先頭へ 基本練習4へ 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る

 蹄跡運動も輪線運動も、経路上に障碍異物を置かなければ一定のペースを保って進むなどのスピードコントロールは比較的やりやすい。経路上に横木などを置いておくと、馬がこれを越すときに馬のペースが変わりやすいから、スピードコントロールの練習に良い。

 また、横木の中央部を直角に横切らなければいけないから、コース選択(先の見当をつけて、曲がり方をコントロールする)の練習にも、とても役立つ。

 この絵のように、馬場のなかに、横木を2本お互いに直角に、適当に距離をおいて配置する。このコースで、緑矢印と赤矢印の経路で進んで横木を越させる。

 最初は全部常歩で行う。常歩で問題無くできたら、全部軽速歩で行う。これもできたら、赤矢印部分を駈歩、緑矢印部分を軽速歩で行う。時々、進む方向を逆転させて練習する。また、緑矢印部分を駈歩、赤矢印部分を速歩など、いろいろなパターンも練習する。


注意点

(1)次の横木に向かう経路に入る前に、早めに横木の位置を確かめ、馬の速さを勘案してどのぐらいの円弧で曲がっていけば横木に対して真っ直ぐな経路をとれるかを見極める。

(2)横木は中央部を直角に真っ直ぐ越えるように馬の進路を制御する。姿勢は真っ直ぐ、両脚・手綱によるガイドを強く意識して乗る。

(3)馬は横木を越えるとき若干興奮して、スピードが上がる(速歩が駈歩になったり)から、これを極力一定速度に抑えるようにする。馬がジャンプしたなら軽く尻を浮かせて、拳を前に譲る。速度を抑えるには、単に手綱を控えるだけでなく、半減脚を使う。

(4)横木を越える前や、越えた後の馬の興奮にも注意。特に駈歩で越えさせたときはスピードが上がるので、越えたらすぐ半減脚で充分に落ち着いた速歩にする。ずっと一定のリズム、速さで越えるのが理想。


基本練習 4 側方運動 基本練習3へ このページ先頭へ 障碍基礎練習1へ 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る

 ここに紹介する斜め横足、あるいは肩内(かたうち)や前肢旋回(まえあしせんかい)などは馬が後肢を馬体の下に横に肢を運んで体重を支える能力を要求するので、馬の柔軟性や運動能力を高めるのに役立つ運動だという。CRではこれらは横の運動(Latelra work)としてまとめて紹介されている。横の運動では、主扶助を行う脚がつねに内方脚になる。

 馬の柔軟性を増すために必須の運動と言われているが、きちんとこれを教え込まれて、体力的にこの動きができるように仕込まれた馬で練習することが前提。サンデーライダーがこうした動きをできない馬に乗って、これをやらせようとしても、調教など出来るわけではないから無理な話。


斜め横歩(Leg Yielding)

 馬の体はまっすぐ前を向けておきくが、進むのは斜め前方。最初は、下の絵のようなやり方よりも、こちらの方がやり易いので、こちらの方法での練習がお勧め。


(1)短蹄跡を常歩で進む。

(2)短蹄跡の中央まできたら90度左に曲がって馬場の中央に向かって数歩進む。

(3)左手綱をやや控えて、馬の左目が少し見えるように馬の首をやや左へ曲げた姿勢をとらせる。右の手綱は馬の右肩が外(右)へ逃げないように抑えておく。

(4)両脚で前進扶助を行って馬を前に進めて、左脚を大きく引いて左脚だけで馬の後躯を右方向へ圧迫。右脚は通常よりやや後ろに位置させておく。

(5)左脚のよる圧迫は常時ぐいぐいやるのでなく、馬の歩みごとにリズミカルに行う。真横に行くようなら軽く、斜め横に行かず前に行くようならやや強く、強弱をつけて絶えず馬の向き進む方向を微調整。


 これで馬は斜め前に進むはずだが、左脚の圧迫が強すぎると馬が左へ回りすぎて馬体が長蹄跡と平行ではなくなってしまう。また、圧迫が強く、推進が弱いと馬は前肢回転と勘違いしてしまう。

 圧迫が弱いと馬は右を向いてまっすぐな姿勢で埒に向かって斜めに進んでしまい、やはり長蹄跡と馬体が平行にならない。

 馬の顔をやや左に向けた手綱の誘導により馬が左へ進んでしまう場合は、左の手綱を押し手綱に使って馬が左へ曲がることを防ぐ。

 扶助は同じ扶助をぐいぐい続けるのでなく、馬の姿勢、向きに応じて前進の扶助、引いた脚による圧迫扶助、手綱での扶助とこまめに使い馬体を長蹄跡と平行に保ちながら斜め前に馬を進める。

 ポイントは馬を真っ直ぐ元気に進めること。斜めに行かそうとばかり思うとうまくいかない。蹄跡から中央線に出たら、まずまっすぐに馬を元気よく歩かせることに集中。馬がまっすぐ歩いたら内方脚をやや引いて馬腹をリズミカルに圧迫。基本的に手綱もほかの脚も積極的には使わずに内方脚だけを使う。

 この歩様を使ってスラロームをやるのもよい練習になる。

 斜め横足は応用範囲が大変広く、蹄跡から馬がずれたときに蹄跡に戻す、斜めに手前を変えるときにスムースに蹄跡に戻すなどの場合にも使うべき技術だという。


M先生のところでならった斜め横脚の練習は以下の通り

(1)まずは、斜め横脚の前に「輪乗りの開閉」を練習する。これはあらゆる輪線運動の基本となるという。
右手前の輪乗りでの練習方法

 輪を縮めてゆくことから始めるのだけれど、便宜上輪を広げる例で説明。
・馬にはきちんと内容姿勢をとらせておく。
・内方脚を後方に引いて、自分のお尻よりかなり後方で脚を使って、馬の後躯を外方へ押しだして、馬をより大きな直径の輪乗りのラインに乗せる。
・回りつつ徐々に輪乗りの直径を大きくする。このとき手綱をメインに使って進む方向を変えて直径を大きくするのではなくて、内方脚による押し出しにより、馬が外周方向へ動くことで直径を大きくする。

 輪の直径を縮める場合も同じ。内方脚を後ろに引いて後躯を外方へ押しだしながら直径を縮める。ただし、外方手綱で左前に馬が逃げないように抑えておく。
 外方へ押し出すと直径が広がりそうだが、外方手綱でおさえておくことで、後躯を外方へ押し出された馬はより内方へ向くので輪乗りの直径を小さくすることができる。
 この感覚をつかめると側方運動のコントロールがしやすい。

輪乗りの開閉で感覚がつかめたら(馬の準備運動としても輪乗りの開閉は有効らしい)、下のような図形で、巻乗りからの斜め横脚を練習する。


・蹄跡から中央線に入ったら、左(右)に巻乗り、馬にしっかり内方姿勢を取らせておき内方脚を後方で使って後躯を押し出すようにして巻乗り、
・中央線に戻ったら内方姿勢を崩さず、巻乗りを解いて斜め右(左)前に進む。内方脚は巻乗りをしているときとときと同じように使う。
・馬が左を向きすぎたり、あるいは、右を向きすぎないように手綱でコントロール。

上体を捻らないこと。巻乗りから中央線も戻ったときに横脚をやって欲しいという意識が強くなりすぎると、姿勢が歪んでろくなことにならない。姿勢はこわばらす、脚は力強く使う。


  以下はCRで紹介されている斜め横歩の説明。

・前に進むよりも横に進む度合が大きいのは間違い。横よりも前に進まなければいけない。
・馬の首は柔らかく、進む方と反対側の馬のまぶたと鼻孔の端が見える程度に曲がっていなくてはならない。(右斜めに進むなら左側が見えること)
・前肢よりも後肢が速く横に進んではいけない。しかし、前肢が後肢よりもやや速く横に進むのは可。

斜め横歩のやり方:

(1)四つの基本を整える(ソフトアイを使う、横隔膜を使って深く呼吸、体の中心(重心)を低く安定させる、体を下から安定に積み上げる)。
(2)両手、両脚の扶助はそれぞれ他と独立に動かすことを意識する。
(3)斜め横に滑る坐骨の助けを借りて、内方脚(右斜め前に進むなら左脚)を柔らかく、腹帯の後ろで、前肢旋回同様にリズミカルに使って、馬を右前に進める。
(4)外方手綱(右斜め前に進むなら右手綱)で馬の前進度合をコントロールする。この手の動きは内方脚の動きと合っていなくてはならない。
   外方手綱は、馬の首をまっすぐにして、肩が飛び出て後肢よりも速く横に動くことを抑止する。また、前肢が右に動かなくなった時に、必要に応じて開き手綱として使う。
(5)外方脚は、内方脚が圧力をだせるように馬腹に添えておき、また、馬を前進させ、後躯が右に振れすぎるのを防ぐ。
(6)内方手綱で馬の首を、進む方と反対側の馬のまぶたと鼻孔の端が見える程度に曲げる。このとき脚(内方脚)が先で、手は後から使うこと。
(7)最初は1,2歩でよい。ただし、馬の左後肢が馬の体の中心線の真下に来て、馬の体重を左後肢で支えられるまで左後肢を右前に進めさせなければいけない。次に体重は左後肢に支えられて、右後肢が右前に動き、こんどはこの右後肢で体重を支えて、左後肢を右前に進められなければならない。馬の左後肢が中心線を超えてより右側に踏み込めるようになるのは馬がより柔軟になって、筋力もついてからで、それまでは中心線まで踏み込めればよい。
(8)うまくいったら(最初は一歩でも)すぐに褒める。褒めるのは、圧力を緩めることで行うが、うんとほめるときは首をたたいたり、言葉で褒める。
(9)数歩できるようになったら、より多くの歩数続けて斜め横歩を行う。
(10)うまくいかないときは、息を止めていないか、バランスが保たれているか、左脳(論理的)が右脳(直観)の働きを邪魔していないか、内方脚が固くて馬に不快感を与えていないか、内方手綱を譲らずにロックしていないか、などを見直すこと。もし、馬がいうことを聞かないだけなら、内方脚のすぐ後ろに鞭を使って言うことを聞かせること。馬が従ったらすぐに褒めること。もし、自分に原因があるなら、ほかのより易しい運動をしばらくして、それからまた斜め横歩を練習すること。


肩内(shoulder-in)


肩内(shoulder-in)では上の絵のように、馬の前躯を馬場の内側(この絵では上が内側)に誘導して、その外方肩が内方の腰の前に来るように馬を整える。馬は、内方前肢(黄色)の蹄痕と外方前肢(赤)と内方後肢(赤)の蹄痕、外方後肢(緑)の3本の蹄跡を描いて運動する。

 競技では、隅角や輪乗りからでなく、真っ直ぐな運動から、行えなければならないけれども、練習は下の絵のように、隅角や蹄跡上で巻乗りをしてはっきりした内方姿勢を作って、巻乗りを解いたところから、内方姿勢を保ったまま、内方を向かせた馬を蹄跡沿いに直進させるのが容易。巻乗りを解いたら、馬が屈曲して斜め(内方)に向いた状態のまま、内方脚を歩毎に使って蹄跡方向へ推し進める。脚に馬が反応しない場合は、内方脚をやや引いた位置で使う。このとき膝を動かさずに踵をあげて脚を効かす位置を後ろよりにすることは好ましくなく、腿から下肢全体を股を開いて後方に移動させる感覚で後ろに位置させる。

 どうしても上手く行かないというような場合は、速歩輪乗りで輪乗りの直径を縮めたり広げたりを内方脚を使って行う練習を重ねれば、多少内方脚を使って馬を横にコントロールする感覚がつかめるので、その後に「肩内」(あるいは斜め横歩)を練習すると良い。

 常歩で行うよりも、速歩で行う方がやりやすいので、練習は速歩でやって、感触がつかめてきたら常歩でも練習する。
 巻乗りはしっかり内方姿勢を意識させるものだから、通常の巻乗りよりも馬体の屈曲を意識し、馬の首も多少強めに曲げてもよい。ただし、頭頸を内方へ誘導するために、内方手綱だけ開き手綱としてはならず、両拳は揃えてやや内方へ動かす程度に使う。

 教本には斜めを向いた馬の両耳の間から内方姿勢をとっている方向を見ると書いてあり、蹄跡方向を見ると誤った体重移動をもたらすので注意と言っている。けれども、これを習ったときは、うまく行かない(馬が蹄跡から離れて頭頸の向きに進んでしまうなど)ときに「ヘソを前(進行方向)へ向けて」と注意され、その注意に従ったら、自分でも驚くほど肩内の運動をさせることができた。ヘソを前に向けると、内方脚がやや前方一段したへ下り、外方脚はやや後ろに引くという輪線運動の基本姿勢が取りやすい故からかもしれない。うまく出来ないときは、ヘソの方向も意識してみると良いように思う。

ヘソを進行方向へ向けると、脚がうまく使えるように感じる。


 以下はCRからの受け売り。

 肩内では後躯は蹄跡上を進むが、肩はやや内側を通る。結果として、馬は3本の蹄跡上を進む。外方後肢で1本、内方後肢と外方前肢(が同じ軌跡の上を通るので)で1本、内方前肢で1本の計3本。前進しているときに、馬は内方脚のまわりに柔らかく曲がって進むので、馬は進む方向とは違う方向を向いていることになる。

 理想的肩内では、馬の体重は内方後肢に支えられるのがよい。すると前肢が軽くなり、馬体も柔らかく曲がる。

肩内のやり方:

(1)常歩で10mの輪乗りの途中から、あるいは、隅角の曲がり終わりから始める。
(2)最初は1,2歩歩いたら、また輪乗りに戻る。そしてまた始める。肩内を始める前後に輪乗りをするのは馬体を曲げておくのに役立つ。
(3)骨盤の中にグランドピアノを置いて、これを鍵盤の端から端まで弾くイメージを持つことは横の運動全部に共通して役立つ。
(4)よくある誤りは、前肢を内側の蹄跡にもってくることにばかり気を配り、後肢のことをわすれること。
(5)内方脚を使って、馬の後躯をまっすぐ(埒に沿って)前に進める。斜めにスライドする内方坐骨と内方脚で作り出した前進エネルギーを外方手綱で受け止める。内方手綱は柔らかく方向を指示する。内方手綱を引きすぎると馬は後肢で体重を支えなくなってしまう。


前肢旋回(まえあしせんかい turn on the forehand

 前肢旋回は、前肢を軸にして後ろ脚を横に運ぶことで馬の体が肩を中心に回転する。360度回ることもあるようだが、180度回って最初の方向と反対を向いたら終わりにする。

 左に回転する(後肢が動く方向で回転方向を呼ぶので、後肢が左へ動く旋回は左への前肢旋回という)ときは、馬の右後肢が左後肢の前方を横切るように動かされることが大切。左後肢の横とかにまでしか右後肢が動かないということは前進気勢が乏しいことを示す。

(1)左の絵の青矢印のように蹄跡を常歩(常足)で進む。
(2)蹄跡の途中で馬場中央方向へ90度曲がり、埒に対して垂直に馬場のセンターラインまで進む。
(3)両脚を締めて(半減却)馬にこれから停止の合図を送ると予告。センターでとめるためにはセンターの手前で半減却を使う。
(4)手綱を控えて馬を停止させる。馬が停止したらすぐに両脹脛で馬体を締めて、間をおかずに右足を大きく引いて右足だけで馬腹を圧迫。
(5)調教されて前肢旋回を教えられている馬なら、これで後ろ脚が左に出て体が前足を軸に時計回りに旋回(左へ前肢旋回)を始める。
手綱は両方ほぼ均等に控えたまま。手綱で馬の首を回す必要はない。
(6)馬の後肢が一歩動くたびに、後ろへ引いた右脚で馬の尻が左へ行くように軽く圧迫して扶助を送る。
(7)180度回って馬が元来た方向へ向いたら右足での圧迫をやめて、両脚で圧迫して回転を止める。
(8)両脚による圧迫と同時に手綱を譲って馬を埒の方向へ前進させる。
(9)馬が埒の手前まで来たら、右へ曲がって蹄跡へ戻る。

 右に曲がって馬場の中央へ出たら左回りの前肢旋回をして、左に曲がって馬場の中央へ出たら右回りの前肢旋回をする。ただし、必ずそうやらねばいけないのかどうかは確認していない。

 そう難しい技ではないように思えるが、中央でピタッと止めるのが肝心。とめられれば、そこから直ちに片足を引いて扶助を送れば回転してくれる。ピタッと止まらずデレデレと馬が動くとうまく回転できない。回転中手綱はごちゃごちゃ動かさずやや控え気味にしっかり抑えておく。


 調教されて前肢旋回を知っている馬なら上の方法で、前肢旋回ができる。馬が調教されていない場合はできないので、以下の方法で馬に前肢旋回を教える。この方法はCRに紹介されている方法。CRでは馬に横運動をさせるためには乗り手の扶助がそれぞれ独立に動かせないとダメだと言っている。右脚でなにか扶助をしたときに、それにつれて右腕が動いたりしたらダメで、手と脚の扶助はそれぞれ独立に思い通りに動かせないといけないと言う。

 さて、前肢旋回は以下のように調教する。うまくいけば、1回10-15分の調教を3,4回やれば馬は前肢旋回を覚えてくれる。ただし、前肢旋回を教えられていない馬に新たに教えることができたのか、あるいは、教えられていた馬に思い出させただけなのか判らない。

 よくある間違いは、左回り(時計回り)の前肢旋回をする場合、右脚で馬の後躯を左に寄せて、馬の頭を右に寄せるように右手綱(内方手綱)を使うこと。こうすると、馬は前肢中心でなく、馬体の中心のまわりに回転する。前肢旋回をする場合は、内方脚だけで扶助を行う(メインの扶助は右脚で、他は全部補助的なものになる)。

(1)馬を停止させて、

(2)右脚で馬腹を圧迫して後躯を左へ踏み込ませる。しかし、最初は(教えられていないので)脚から逃げるために前進するかもしれない、

(3)(馬が前に出たら)ただちに、手綱で前進に「No」という。前進を止めたら、すぐに手綱は譲る。すぐに譲らないと馬は嫌がって跳ねたりするかもしれない、その場合は両脚を使って馬に(跳ねるのでなく)前進しなければいけないのだと考えさせる。

(4)もう一度、右脚で馬腹を圧迫し(他の扶助は全部緩めて)後躯を左へ踏み込ませる。しかし、こんどは脚から逃げるために左肩を外へ突き出すかもしれない、

(5)(馬が左肩を外へ突き出したら)ただちに、外方手綱(左手綱)でこれをコントロールする。鞍の前橋にそろえた左手で必要なだけプレッシャーと与える。ただし、右手のコンタクトは非常に軽く、しかし、コンタクトをなくしてはいけない。外方脚は馬体に添えておくがプレッシャーをあたえてはいけない。外方脚は、内方脚でプレッシャーを与えることができるための支えとして馬体に添えておくだけ。

(6)外方脚、両手綱の制限で、馬は後躯を左に運ぶしかできなくなる。

(7)ほとんど調教ができていない馬の場合には、内方脚で馬腹を蹴ることも必要(まったく反応しない場合)。あるていど調教された馬なら、軽いプレッシャーだけでよい。

(8)馬の後肢が一歩でも横に動いたら、ただちに全部の扶助を譲り静かにとどまって、馬を褒める。

(9)一度に一歩の回転(一歩ごとに静かに緩め、褒める)を180度回るまで続けて、180度回ったら歩き去る。

(10)馬が喜んで(9)をするようになったら、一度に2歩ずつ回転させる。決して、乗り手が期待する以上に馬に回らせてはいけない。

  馬が一歩後肢を動かすたびに、内方脚の扶助を送ることが肝心、馬の内方後肢と乗り手の内方脚があたかも一つになったかのように動くのが理想。内方脚でプレッシャー、馬が内方脚を斜め横に踏み込む、プレッシャーを緩める、の繰り返しで一歩一歩後肢を斜め横に進める。馬の右後肢が左後肢の前方を横切るように活発に動かないときは、両脚を使って馬に「前進しなければ」ということを思い起こさせる必要がある。

  前肢回転で、騎座を横に押して馬を回転させよう(後躯を横に動かそう)とするのは間違い。ただし、内方坐骨が鞍の上で斜めに滑るのは許しても構わない、ただし、外方の坐骨にかかる体重はそのまま。


 前肢旋回を馬に教えるときに、馬にあちこち(たとえば前に)行かれないようにする簡単な方法は、馬場の角を利用すること。これはYoutubeに紹介されていた方法で、正式な方法かどうか判らないが、とても簡易で効果的方法に思える。

 左の絵のように隅角の角に馬の頭を向けて、右脚を後ろに引いて馬の右腹に圧迫刺激を与える。柵に沿うまで回転したら、こんどは左脚を引いて左脚で圧迫して馬の後肢を右へ旋回させる。これを繰り返すが、必ずちょっとでも正しく反応したら褒めることが大事。

 前方は角で前に進めず、かつ、頭も左右に動かす余地が少ないので、馬は自然と後肢を動かすしかできない。こういう位置で、比較的簡単に、後肢を乗り手の脚から逃げることを教えることができる。

 後ろへは下がれるので、後ろへ下がってしまう場合には、両脚で前進を促して、すぐにまた一方の脚から圧迫して後肢を横に逃げなければいけないことを教える。


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 この練習は障碍飛越の練習の一環。上の基本練習2と同じコースだが、中央部の地面に横木を1本、2本、あるいは3本置いてある。

 コース上の長蹄跡部分は、正座速歩、軽速歩、立ち乗り(ツーポイント)の3種類乗り方で練習。

 (1)横木が一本の場合: 速歩および軽速歩のときは、横木を馬が跨いだときに、尻を浮かせて上体を前傾して手綱を握った拳を一瞬前に出してすぐに戻す。立ち乗りの場合は、そのまま拳だけを前に出します。横木を越したら、姿勢を元に戻す。

 (2)横木を2本以上置いた場合: 速歩および軽速歩のときは、最初の横木で尻を浮かせて上体を前傾して手綱を握った拳を一瞬前に出してすぐに戻す。その後、そのままの姿勢で次の横木を越える。越えるときには最初と同じように拳を前に出してすぐに戻す。
 また、横木一本ずつ姿勢を元に戻し、また尻を浮かせるという練習もする。立ち乗りの場合は、そのまま拳だけを前に出す。、

 横木を絶対に見ないようにします。目線は尻を上げて前傾して、顔を上げて前を見たときに首が苦しくない自然な姿勢の範囲でできるだけ前方におくようにする。横木のおおよそ10m以上は先を見る。

 コース上、青い矢印部分は緑の△マークに目線を置いて馬を進ませ、横木を跨がせる。
 横木は見ずに△印の位置あたりを見るようにして馬を進める。
 軽速歩、速歩、立ち乗りで練習。

 △マークを通ったあとは右に回って黒線の矢印を通って、また青い矢印を通る。次は、△を過ぎたら左に回って同じことを繰り返す。大きく馬場いっぱいに、縦に押しつぶした8の字を書くように乗る。

 横木を跨ぐ瞬間に馬の首がスッと前に出るので、これにあわせて、手綱を握った拳を前に10から40cmほど前に出す。
 上体は動かさずに拳だけを前に出す。
 拳を沢山前に出すときは上体を大きく伏せるが、絶対に背中を丸めてはいけない。


 これは悪い姿勢で、拳を出すだけでなく、横木を越そうという意識が強すぎて、上体が横木の上に被さるような姿勢になっている。
 横木を跨ぐのは馬であり、人間が横木を越すのではないことに注意。
 乗っている人間は、馬の動きを邪魔しないように、単に拳を出すだけ。


障碍基礎練習2 障碍基礎練習1へ このページ先頭へ スラロームへ 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る

 この練習は障碍飛越の練習の一環。上の障碍基本練習1と同じコースだが、中央部に4-50cmほどの高さの低い障碍を置いてある。

 コース上、青い矢印部分は緑の△マーク位置に置いた葉っぱを目標に馬を進ませ、障碍を跳ぶ。
 障碍は見ずに△印の位置に置いた木の葉っぱを目標に馬を進める。
 直線にはいったところで、両脚による扶助を強めて速度を増す。うまく乗れると馬は駆足になるかもしれないが、そのときは駆足で障碍を飛越

 △マークを通ったあとは右に回って黒線の矢印を通って、また青い矢印を通る。次は、△を過ぎたら左に回って同じことを繰り返す。大きく馬場いっぱいに、縦に押しつぶした8の字を書くように乗る。

 ポイントは、障碍を見ないこと。あれを飛び越すんだと、障碍を注視すると、スピード感が増して慌てることになる。下を覗くと、体勢も乱れて、正しい姿勢が保てない。障碍は見ずに、その先の木の葉を見る。飛び越す瞬間も、障碍を見て目線を下に落としてはいけない。

 「まっすぐに乗れていないと、障碍が二つ連続していたらまずダメだし、障碍のすぐ先が埒であるような設定がされていると、埒の外に放り出されて落馬をするよ」と先生。

 さて、もう少し跳ぶことに重点をおいてやりましょう、ということで、次は立ち乗りと前傾姿勢の練習。

 立ち乗りの姿勢は、このようにお腹に力をいれて腹を前に出すようなつもりで姿勢を保つとやや楽に立てる。
 足はほぼ伸ばした状態、体全体が前に倒れこむのではないかというような感じになるが、「腹を出す」と意識すると前に倒れるような感覚はなくなる。

 基本的に鐙と脹脛の2点で体をささえるが、障碍鞍だとどうしても膝が鞍のニーロール部分に当たる。というかニーロールで支えるような具合になるが、これは良くない。ただし、脹脛の圧力と膝の圧力を比べて、膝の方が圧力が弱ければニーロール部分を膝で支えるような感じになっても構わない。

 最初は2-3歩でバランスが保てなくなって鞍に座ってしまうが、練習を積めば立てる歩数が伸びる。

 前傾姿勢の練習。

 立ち乗りの状態から、膝は曲げずに脚全体を後ろに倒して、お尻をほぼ水平に後ろに引き、背中を反らせ気味にして上体を前に倒す。顔は上げて前方10数mのところを見る。絶対に障碍を見てはいけない。
 鞍の後橋からお尻を充分離して前傾姿勢を保つ。

 この姿勢で視点をただしく保っていれば、馬が障碍を跳んでもほとんど跳んだ感覚がなく非常にスムーズ。「あれ、跳んだの?障碍が低すぎない?」という拍子抜けの感さえある。(もっと高い障碍なら、こんな感じではないのだろうが、、、)

 馬が駆け出したときに体が遅れないように足で踏ん張ったり、あるいは障碍を越えるときに乗っている人間も飛び越すようなつもりになるとつま先が下がって踵が上がってしまう。膝も曲がり気味になる。

 この姿勢で跳ぶと、馬が障碍を跳んだときに、「跳んだ」という感じが伝わって来る。その意味では、「やったー」という満足感があるが、実は良くないというのは面白い。
 これは良くない姿勢なので、このような姿勢(背を丸めた前かがみ、つま先下がり、膝曲がり、など)にならないように注意が必要


 ある馬で練習したところ、跳んだあと馬がまっすぐ進んでくれない。右に回ってほしいので馬の首は右へ向けているが、馬自体は急速に左に曲がろうとする。結果的には馬は左に急カーブ。先生は「危ない、落ちるよ」と言う。なんとか右に行ってほしいので体重も右に掛けようとするのだが、馬は明らかに左に行きたがっているので、これは自分でも危ないのが判る。何度かやっていると、馬はますますいうことを聞いてくれなくなった。先生は「馬が怒り出した」と言う。「(クラブによっては)もう降りてくださいと言われますよ」とも言う。

  何が悪いんでしょう?と聞くと、跳び終わって馬が着地したあともずっと姿勢が前かがみのままで地面を見ている、とのご指摘。

 この絵のような姿勢になっているという指摘。跳ぶ前は、障害を見るな、前方を見よという徹底した指導で下向き前かがみにならないように注意をしていただが、跳んだあとは安心しておざなりになっていた。

 こういう姿勢になると、手綱を控えようとしてもきちんと控えることができないし、手綱を引こうにも力も入らない。つま先も下がっているから、膝から下が後ろへ動きやすくなっており前方に倒れこむようなことになったときに脚で体を支えられない。つまり、この態勢で馬が止まったりしたら(急カーブも含めて)必ず前に落ちることになってしまう。

 障害飛越で落馬する典型的パターンの一つで、こういう姿勢で落ちた人は必ず「馬に跳ねられた」というが、脇からみていれば決して馬が跳ねたのではないことが判る、馬が跳ねたのではなくて姿勢が悪くて落ちただけだと先生は言う。

 障害を跳んだことにホッとして、着地したあとの馬を積極的にコントロールする意識が希薄だった。脚による抑えもしていなければ、手綱はぶらんぶらんで、馬に真っ直ぐ行けとか、曲がれとかなんとかいう指示を出していなかった。跳ぶ前には障害前で急停止や急カーブされて落馬というのはいやだから、必死に馬をおさえていたが、跳んだあとはそいうものが全部なしになっていたようだ。で馬が勝手に曲がりだしてから、ありゃ そっちじゃない とあわてていた。

 まあ馬が勝手に曲がったというより、ぶらぶらの手足の動きの中から何らかの指示を拾い出して、その指示通り曲がろうとしたら、そっちじゃないと手綱を引っ張られたりして、いったいどうしろというんだ!と怒り出したのだろう。


スラローム 障碍基礎練習2へ このページ先頭へ スラロームへ 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る

 この練習は脚による扶助、手綱による扶助を学ぶことが目的。

 H先生は「スラロームの練習はとても大切だ」と言う。また「でも、みんな面倒臭がってやるのを嫌がるんだよねぇ」とも言う。

 赤丸のようにビールの空きケースをならべておく。馬場の上辺には沢山ならべておきます。上辺のケースの間隔は馬体の2倍から1倍ちょっとまで、当然間隔が狭いほど難しくなる。
 赤い矢印のようにケースの間を縫って通る。常歩、速歩(正座、軽速歩)で練習。
 曲がる手前で、回転内側の脚で馬腹を強くギュッと圧迫し、すぐ離す。反応しないようなら再び圧迫。先生は手綱に頼らす脚だけで曲げられるようになれと言う。

 手綱は開き手綱や譲る手綱を使って馬の首を回転内側に誘導。

 手綱に頼らす脚による扶助だけで回る練習と、手綱による扶助だけで回転する練習、手綱と脚の両方の扶助で回転する三通りの練習を行う。H先生は多くの教本に書いてある回転外側の脚を引き気味にして馬腹を抑えなさいというのを言わない。先生のところの馬は外側を抑えるということをしなくてよいように調教してあるのかもしれない。

実際に習った順番は、
  1.回転内側の脚による圧迫だけで回転する、
  2.開き手綱と脚による圧迫の両方の扶助で回転する、
  3.開き手綱と脚による圧迫のときに回転内側に腰を押し出す重心の移動で回転する、
  4.軽速歩で座るときに尻を回転内側にずらせて重心の移動だけで回転する、
  5.回転外側の拳を譲って、譲る手綱の扶助だけで回転する、
  6.開き手綱だけを使って回転する、
  7.脚による圧迫と譲る手綱の両方の扶助で回転する、
という順番。4を除いて歩様は全部正座速歩ないし軽速歩。2.は前傾姿勢でも練習。

 それぞれの場合につき、鞍が(馬体が)どのように動くかその違いを判れという先生は言うが、微妙に違うが言葉できちんと説明できるほどはっきりと違いが判らない。ただ、譲る手綱で回転すると、ほかの方法と違って曲がるときに加速しているように感じるし、乗っていても滑らか

 7.の方法が、馬にブレーキをまったくかけずに済み馬の運動に切れ目がない、騎乗者の動きも最小限で済む、ということで一番望ましいという。


(1)脚による回転の練習:

手綱に頼らず脚の力で馬に回転の指示を与える。
回転内側の脚を少し外側にひねるように回して踵前に押し出すようにすると、脚が通常の位置よりも前に出る。
 この状態で腹帯のやや前の馬腹をギュッと圧迫。回転角度が大きいほど(カーブがきついほど)強く鋭く圧迫。
 このとき踵で圧迫しようとするとつま先下がりになりがちなので、脹脛で圧迫するようにする。

 また、軽速歩では立つ座るのタイミングと曲がるタイミングが合わない場合は、適切なタイミングで脚を使えない。座るタイミングで脚を使うので、座るタイミングが丁度曲がるタイミングとあっていないとうまくないという。

(2)手綱だけでの回転の練習:

 手綱による扶助だけで馬を曲げる練習。手綱は開き手綱(左の絵の左側)と譲る手綱(左の絵の右側)の二通りを練習。

開き手綱の場合:  肘を中心に前腕を回して馬の首を回転内側に誘導。引っ張るとブレーキになるから、引っ張らないように拳をやや前に出し気味に開く。

 回転外側の手綱は馬の首が曲がって引っ張られる分譲る。(押し手綱として使えという教本もありますが、先生は押し手綱を薦めません)。

・譲る手綱の場合:  回転外側の拳を前方へ突き出すように出して、反対側(回転内側)の拳は動かさないようにする。

 本来の譲る手綱は拳を動かさずに薬指、小指、中指を緩めるだけの動作で手綱を譲るのだが、練習だから拳は思いっきり前方に出してよい。譲る側を前に大きく突き出しても反対側は動かさずにおくという練習もかねている。出した拳の反動で反対側の拳を引いてしまいがちなので要注意。

 譲る手綱で曲がると、減速を全く感じず、脚の扶助と合わせて使えば加速さえ感じることができて、とてもスムーズ。

(3)重心の移動での回転の練習:

 重心の移動で馬を曲げる練習。

 速歩でも常歩でも応用できると思いますが、実際には軽速歩で習った。

 この絵は右に曲がる場合を後ろから見たもの。立つときはまっすぐ真ん中に立つが、座るときにお尻を回転内側(右側)にずらせて座る。このとき上体を前後左右に傾けずにまっすぐに前向きに保つ。次のコーン(ビールケース)を曲がるときは、尻を反対の左側にずらせて座る。

 このやり方で曲がると、馬体がコーンの間をうねって通るというよりは、馬体が平行移動するような感じでコーンの間を通る。上級者がやれば馬の首もちゃんと曲がる方向へ向いてくれるのでしょうか?よく判らない。

(4)脚と手綱の協調による回転の練習:

 脚と手綱の協調で馬を曲げる練習。

 手綱は開き手綱と譲る手綱の二通り。脚の使い方は上の(1)と同じ。
 左の絵は開き手綱での練習です。肘を中心に前腕を回して馬の首を回転内側に誘導。
 手綱を開くのと脚による馬腹の圧迫はタイミングを合わせて、同時に行う。
 左の赤い×印の絵は回転の内側を見て(たとえばスラロームの各ポイントにおいてあるビルケースを見て)いる悪い例。内側の地面を見ると絵のように体がおおいかぶさって体勢が乱れる。

 緑の丸印の絵は良い例。まっすぐの姿勢を保って開き手綱を脚による圧迫を行う。こうすると自然に体重はやや回転内側に掛かりとても都合が良い。

 開き手綱は回転中ずっと開いておくが、脚による圧迫は断続的にギュッ ギュッ ギュッ と行う。

  譲る手綱を使う場合は、上と全く同じことを開き手綱に代えて譲る手綱で行う。


  スラロームのポイントは、

(A)ケースーを回るとき、馬の頭がケースを越したタイミング(左の絵の馬の位置)で、回転内側の脚を強く使い馬腹を圧迫。手綱も使う場合は同じタイミングで手綱を大きく開く。
(B)馬の肩あたりがケースを回ったら馬は次のケースの手前側を通るような体勢になっているはずだから、回転の指示を止めて、直線の指示を出す。具体的には開き手綱(あるいは譲る手綱)を止めて、両脚をそろえて馬腹を圧迫し前進の指示をする。ケースとケースの間が狭くなってきたらこの直線の指示をする区間はどんどん狭くなって、ついには無くなってしまうのだと思う。先生は「はい、右脚、右脚、まっすぐ、まっすぐ、はい、左脚、左脚、、、、」というような声をかけてくれる。左の絵では赤い線が片脚で馬腹を圧迫して曲がっていく区間、緑の矢印は直進区間。
(C)馬の頭が次のケースを越したら、すぐに反対の脚(次の回転の内側になる脚)で馬腹を強く圧迫。手綱も使うときは同じタイミングで手綱を大きく開き(あるいは譲り)ます。「右脚、脚、はい 真っ直ぐ、真っ直ぐ、 はい、左脚、脚、はい 真っ直ぐ、、、」といった感じのリズム。
(D)ビールの空きケースを絶対に見ないこと。回る足元にあるケースを覗き込むと上体がよれる。前方を見るようにして、各ポイントのビールケースは注視はせずに視野にいれておおよその曲がるポイントの見当をつける。
(E)重心を左右ずらさず傾かずに馬の真ん中に真っ直ぐに乗ること。

 脚だけで回るのはとても難しく全部のポイントを回ることができない。最初の2-3個のビールケースは回れても、その後のケースは曲がれない。最初の練習では手綱に頼るなと先生は言う。手綱はほとんど使わずに脚だけでやろうとしても、なかなか馬がいうことを聞いてくれない。

 ところで、同じ設定のスラロームを裸馬でやってみたら、鞍をつけた練習よりずっとましで、一応ビールケースを抜かさずに全部回ることができた。先生にこのことを言ったら、「ちょっと見ていたが、体が拠れておらずに真っ直ぐに乗っていたよ」とのコメント。たしかに、裸馬だと馬の背骨と自分の坐骨の関係がずれるのを敏感に感じ取れるから、ほとんど常に馬の背骨に対してまっすぐになるように注意して乗っている(ずれると尻が痛いので、常にまっすぐにせざると得ない)。


 さて、ケースの間隔を狭く設定してから、先生は曲がるときに腰を前に出してみろと言う。右に曲がるときは右腰を少し前に出せと。
 「右腰を前に出すと右膝が緩んで鞍との間に隙間ができて、右に体重がかかるようになるでしょう」と言うが、そうはならない。右腰を出すということは体が左に向くから、当然右ひざは鞍に密着して鞍を押す形になって、右膝が緩むなどしない。
 左を向くのに右膝が緩むなんておかしいなあと思い「えー、全然緩みませんけど」というと、体全体で右腰を前に出してはダメ、上体は真っ直ぐのまま、腰だけ動かして右腰を前に出せという難しい注文。

 なかなか右膝が緩まないが、上体を左に向けないようにして腰を右前に滑り出すようにすると、若干右膝と鞍の間隔が緩んだ。右腰を前に出すというより、右脚の踵をぐっとさげて右の鐙に乗り込むような感じで腰を動かした方がやりやすいように思えた。こうやることで 右膝が緩んで体重が右にかかる状態になった。「そうそう」と先生も言うから、こういう感じでもよいのだろう。

 こうやると、以前よりも急な、するどい曲がりも確かにできる。開き手綱とこの腰の動きを併用するとかなり急に曲がることができる。いろいろな教本に書いてある内方脚をやや前に、外方脚は後ろに引いて、という姿勢は結局内方の腰を前に出していることになるのだから、先生がここで教えてくれた方法を同じということになるのだろう。


  なんとか全部のコーンを回れるようになったら、同じコースをツーポイントでまわる。

 ツーポイントの場合は、内側を向かないように特に気を付ける。

 赤い×印をつけた絵のように回転内側を向くとお尻が反対の外側に振られて体重が外側に掛かってしまう。回転内側の脚をやや前に出して曲がる扶助を行おうとしてもうまくいかない。

 緑の丸印の絵のように外側を向く。こうすると、簡単に回転内側の脚をやや前に出して右に曲がれの扶助を出すことができ、体重も回転内側の鐙に多くかけることができる。

 先生のところの馬は回転内側の脚の扶助で曲がるように調教されているで、開き手綱による誘導を強く行わなくても、ちょっと開いて内側の脚を前にだして馬腹をギュッと圧迫してやれば素直に曲がってくれる。

 慣れてくればこの絵ほど極端に外を向かなくても上体の背骨の線が馬の背骨の方向に平行になるぐらいでもOK。というか「つねに真っ直ぐ乗るのが一番いいんだ」と先生は言う。


・スラロームと巻乗り

  スラロームの途中でコーン(ビールケース)を回ったら、次のコーンに向かわずに曲がっている姿勢を保って巻乗りをする。巻乗りは二回まわってもよい。

 長蹄跡埒沿いにならべられたスラロームは普通にこなす。
 短蹄跡から中央ラインに並べられたスラロームに入ったら、2番目や3番目などの適当なコーン(ビールケース)を回ったらそのまま巻乗りに入り1周ないし2周の巻乗りをする。
 巻乗りの後は再び中央ラインのスラロームに戻る。
 馬が「ここで巻乗りね」と覚えてしまわないように、巻乗りをかける位置や巻乗りの回数は適宜変える。


鐙上げ スラロームへ このページ先頭へ 雪中騎乗へ 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る

 この練習は騎上での正しい姿勢の保持ができるようになることが目的。鞍は付けて乗るが、左右の鐙を鞍の前橋の上に跳ね上げて、鐙は使わず、脚を支えるものは何もない状態で乗る。

 姿勢はまっすぐに上体を上に背伸びした形を保ち、全体重は坐骨の2点で支える。まっすくに乗り、前傾しても後傾してもいけない。脚が鞍や馬体に接触していると、脚でしがみついてバランスを保てるから、股をぐっと開いて脚が鞍や馬体に触れないようにする。といっても、相当な筋力と股関節の柔軟性がないとこれは無理、そのような気持ちで乗るということ。

 両脚を思い切り広げて乗る。緑の矢印のように広げて、体を支えているのは、坐骨の2点だけになるのが理想。
 つま先をあげて、踵を下げる。踵を下げると、多少脚を広げる力が増す。
 曲がるときは、片方の脚の脹脛で馬体をギュッと圧迫して、すぐに脚をもとの(馬体から離した)状態に戻す。このとき、反対側の脚が馬体に巻きつかないように注意。
 使わない脚は馬体から離しておく。

 股を広げて乗るので、脚で馬体を抱くことができない。まっすぐに座っているしかないということになる。この練習にはそうとうに無理な力が必要なようだが、乗馬には本来そういう筋力が必要だという。上手くなるのはなかなか大変。

・鐙上げのバリエーション

(1)鐙上げの練習と同じことを、鐙を履いてやる。

 鐙を普通に下ろして、両脚を鐙に掛ける。ただし、つま先をぐっと上げて足を引き上げて鐙に足を通してはいるのだが、鐙を踏まないようにして乗る。速歩(正座速歩)で練習。

(2)鐙は鞍の前橋に跳ね上げておいて、両脚を開いて膝を伸ばして両脚を前後に振り子のように振らせる。馬体の動きにあわせて前後に大きく振る。両脚を振るほかに、曲がるときに回転外側の脚だけを前後に振ることも行う。鞍に跨ったときに膝で鞍を抱かないようにする練習です。馬上でのバランスの練習にもなる。


雪中騎乗 鐙上げへ このページ先頭へ 受け売り乗馬教室先頭ページに戻る

2014年3月:  何十年かぶりの大雪で、H先生のところでは1.5m以上の雪が積もってほぼ一か月乗れなかった。ようやく雪が減ったというのでさっそく雪中騎乗。

 今回は降雪以来初めてということで踏み跡のない雪の馬場で乗った。雪が深いので馬は脚を高く上げないと足を前に運べない。このため、とても踏込がよい高級馬のような動きをする。前進スピードはそれほどあがらないが、前後上下のうねりが大きく、とても気持ちの良い乗り心地を味わえた。やみつきになりそう。雪がなくても馬にこういう動きをさせられなければいけないのだろうが、技量不足でできない。雪があるときだけのお楽しみ。駈歩もやったが、これも普通よりはずっと気持ちの良い動きをしてくれた。

 先生は馬の前髪をしっかり見てと言う。地面が雪で真っ白だから地面を見てもダメ。前髪をしっかり見ていると、馬が体勢を崩しても不思議なことに乗っていて慌てることがない。

2012年1月: 数年来の寒波で、馬場に相当量雪がつもった。40cm程度は降ったということで「レッスンできますか」と聞いたら「雪でダメです」と乗馬は1週間以上お預け。だいぶたってから「雪がまだありますが、それでもよかったら」ということで乗った。馬場にはまだ20cmほどの深さに雪が残っていた。

 「こういうように雪があると、馬の踏み込みが相当良くなっています。とても踏み込みの良い馬に乗る練習をしましょう」という先生の説明。

 蹄跡にはもう雪がないので、雪の残っているところを選んで乗る。なるほど、乗ってみると反撞が違う。馬の脚の踏み込みがしっかいと感じられる。脚の扶助への反応も違っていて、軽い扶助で鋭い反応をする。ちょっと脚を締めただけで駆け足が出ます。軽速歩でも、普段同様普通に脚を使っているだけでどんどん前に出る。こんなに反応がよければ楽なもんだなぁという感じ。

 ところが、馬が馬場の中央に置いてあった障碍に近づきすぎたので、避けようとしたとたんに急カーブ・急発進駆け足すぐに埒にゆきあたって反対に急カーブ、このS字走行で右に振り落とされて落馬。右の埒と馬の間に落ちて引きずられたらいやだったので、手綱はさっさと手放した。幸いけがはなし、馬も無事。先生いわく「左足で駆け足の合図をおくったでしょう。だから走り出したんだよ」とのこと。自分ではそんなことをした覚えはないが、馬を曲げようとしてバランスを崩して、左脚で馬体にしがみついたようだ。その結果左脚が強くはいって駆けだしたらしい。以前「そんな乗り方をして落ちるよ」といわれたのはこういうことだったのかと理解した次第。

 「馬の踏み込みが良くなって敏感になっているんだから、柔らかく乗る練習をしましょう」ということで、扶助を控え目に行う練習をした。が、軽速歩がどんどん前に出て、駆け足になりがち。下の絵のように臍を引っ込めて背中を丸めて乗ると鞍の後部に座ることになって馬を加速してしまうということだった。

 この絵の姿勢のように、臍を引っ込めて背中を丸めて乗ると、お尻が鞍の後橋近くに着地することになり、結果的に尻で鞍を押すことになるとともに、後ろに体重がかかることになる。
 馬は後ろ脚に騎乗者の体重がかかった方が走りやすい。

 この姿勢は、正しいものではないが、こういう状態で、鞍の後半部分をどすどすやると馬はどんどん前にでる、初心者が乗って馬が暴走気味になってどんどん走って止まらないというのは、こういうように尻でどんどん鞍を押すことが原因になっていることがある、というH先生のお話。

 優しい扶助をするということで、鞍に衝撃を与えないようにと、静かに座ろうとして腰をぐにゃっとやったために、腹が引っ込んだ悪い姿勢になっていたようだ。


 で、優しく乗るといっても、背筋をまっすぐ伸ばして腹筋背筋に力をいれて背骨をS字状にして座らなければいけないという先生の指導。
 ただし、座る位置はきちんと鞍ツボに坐骨が着くようにする。
 鞍の後方に座ってはいけない。後方に座ると上の悪い姿勢の体重の掛け方と似たことになる。
 こうして乗ると、鞍にはかなりな衝撃が伝わっていると思うのだが、たしかに馬は上の姿勢ほど前に出ない。この乗り方をすると、スピードは上がらずにゆっくりと速歩をしてくれる。

 優しい扶助のポイントは、脚でぐいぐい推進しないことはもちろんだが、以下のような点も注意。
- 軽速歩では立つタイミングをやや遅らせる
- 大きく立たずに小さく立つ。

 競技会に出るような馬は、今回の雪のなかで乗った馬のような状態(軽い扶助でどんどん前に出る)に仕上げておく。で、このような状態に仕上げた馬は、初心者の練習に使う馬とは違う状態になる。初心者練習用には感度をやや鈍く作る。

 どうやったら感度が鈍くなるかというと、軽い扶助で前に出たときに、手綱でぐっと控えてスピードを殺す、これを何度もやっていると鈍くなってしまう。感度のよいまま保とうとするなら、手綱でスピードダウンさせずに、乗り方(たとえば上の絵の座り方など)でスピードが出るのを抑えるようにして、万が一手綱を使わざるを得なかったときも手綱でスピードダウンの効果が出たらすぐに手綱を使うのはやめることが大事。これをいつまでも手綱を引っ張って、脚では前進を指示するようなことをすると、鈍くなる(ダメになる)というお話。

 扶助は効果が出たらすぐに止めよ、というのは大事なことなんだと改めて思わされた。


北海度で深い雪の中で遊ぶ。ざくざくともぐる深い雪になかを馬でぐいぐい進むのはふつうの乗馬とは違った面白みがある。



雪の積もった馬場で駆足
これも昔のビデオ。こんなに漕ぐと先生には叱られること間違いなし。


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